【批評】「アルスラーン戦記(1~4巻)」読みました
この前の連休を利用して「アルスラーン戦記」を読んじゃいました。
この作品はアニメ化されて,三國無双系の無双ゲームもでましたよね。
アルスラーン王子がいろいろな意味で好きになりそうですv(あぶない・・・)
1.アルスラーン戦記とは
あらすじ
14歳の時の初陣で敵国のルシタニア王国に故郷パルスナータを占領されたアルスラーン王子が,故郷奪還に向けて奮闘するファンタジー小説です。
原作は同名の小説でして,全17巻のうち14巻まで刊行されています。
原作者:田中芳樹氏について
1978年デビュー。1982年に「銀河英雄伝説」シリーズを発表。
アルスラーン戦記は1986年に執筆開始。
Wikipediaで知ったのですが「銀河英雄伝説」の作者さんだったのですね・・・不勉強でした。
どうでもいいですが,1986年は私が生まれた年です。アルスラーン戦記と同級生というのも何かの縁を感じます。
作画:新川弘氏について
1999年デビュー。2001年に「少年ガンガン」で「鋼の錬金術師」を連載開始。
言わずと知れたハガレンの作者さんです。
新川さんの絵柄はすっきりしていて読みやすいですよね。
アルスラーン戦記はハガレン時代よりも繊細なタッチになっております。
2.なんで読もうと思ったの?
アルスラーン王子がかわいかったから
30歳以上になると人生で壁にぶつかったり,四面楚歌な状態に陥ることがありますよね。
大体の人は困難に陥ったときに周りの人に助けられながらその壁を乗り越えていると思います。
自分の場合は,チームの人数に似合わない工数のシステム開発を請け負うことになり絶望感に襲われそうになったときに,客観的にアドバイスを送ってくれた友人・知人がいたおかげで何とか期日どおりにリリースすることができました。
そんな仲間に支えられてアルスラーン王子がどう困難に立ち向かっていくのか・・・それが見たくてこの漫画を手に取りました。
3.ここが良かった!!
登場人物
・アルスラーン王子の純粋さ,時に発揮する巻き込み力。
・従者ダリューンの質実剛健さ。と同時に併せ持つ聡明さ。
・従者ナルサスの才知あるれる進言。
とまあ一人ひとりの個性が際立っている点ですね。特にアルスラーン王子がピンチに陥った時のダリューンの「こいつがいれば何とかしてくれる」感にしびれますね。たとえるなら,スラムダンクの仙道やダイの大冒険のアバン先生のようなものですね。
エピソード
私が印象に残っているのは第4巻のカシャーン城砦におけるエピソードです。
故郷パルスナータが陥落し,仲間を探していく中で故郷を開放する考え方を抱き始めるアルスラーン王子。
物語の舞台となるパルス王国では身分制度を敷いており,王族・庶民は楽な生活をするために奴隷を雇っているのです。
しかしながら,敵国のルシタニア王国はパルスナータを攻める際の口実に「奴隷解放」を宣言し,パルスナータ内の奴隷の協力のもと占領に成功したのです。ただ,奴隷は開放されることはなかったのですが・・・
奴隷を開放することこそが,故郷を取り戻す方法ではないかと考えたアルスラーン王子は,パルスの諸侯の一人であるカシャーン城主ホディールの元に助けを求める。
しかしながら,ホディールが自己の利益しか考えておらずアルスラーン王子と対立してしまい,結果命を落としてしまいます。
ホディールがいなくなったことで,カシャーン城の奴隷たちを開放しようとするアルスラーン王子。しかし,ホディールは奴隷に優しい城主だったため奴隷の反感を買い,逆に殺されそうになってしまうという展開です。
・・・奴隷に優しいといっても住居と十分な食べ物を与えていただけなんですけどね。しかしながら,奴隷たちは手に職が就いていないことからホディール無しでは生きられない状態になっていたので,ホディールを殺したアルスラーン王子に憎しみをいだいたのでしょう。
ある意味これは現代社会でも同じで,労働環境が悪いブラック会社を立て直そうとして,自分たちの仕事のやり方が通用しなくなることを恐れた周りの同僚がその改革者の邪魔をすることに似ているのではないでしょうか。
このエピソードを通じて,理想を実現するには多くの人に理解してもらう必要があることを改めて学ばせていただきました。
4.今後期待すること
何はなくてもアルスラーン王子の出生の秘密です。
なぜ,父親のアンドラゴラス三世にも,母親のタハミーネにも似ていないのか。
すっごい気になります。
早く5巻が出てほしいです。